職場の先輩のある女性は、人当たりも良く、大したことでも無いのに大袈裟に「さすがね!」と人を褒めることが得意な人です。
女性には、「わざとらしい。」と受け止められることが多いのですが、男性は満更でもない様子でした。
スタイルも良く、厚化粧ですが年齢の割りには若く見えるタイプです。
もちろん、旦那さんや子ども達もいる、妻であり母である女性です。
恋多き女としても有名で、昔から社内不倫の常連さんでした。
相手は、その女性より若い上司から、歳上の上司まで、歴代の上司と不倫する感じです。
カッコいいとか、素敵とか、そういう部類ではなく、単に上司という肩書きが好きみたいでした。
しかし、職場内で態度に出しているにも関わらず、絶対的な不倫の証拠はつかませない人なので、周りが何と言おうとシラを切るタイプでもありました。
そんなある日、仕事中に女性のメガネが壊れました。
スペアを持っていたようで、仕事には支障もなく、いつも通りに定時で退社して行きました。
私は、たまたま、取り寄せていた新しいメガネレンズが入荷し、メガネが引き取れる日だったので、仕事終わりにメガネ屋に行きました。
メガネを掛けて、鏡を見ながら店員に調節してもらっている時に、彼女と不倫相手の上司が腕を組んで店内に入って来ました。
彼女的には、初の現行犯での目撃者となった私。
このまま知らばっくれてあげるつもりだったのに、「あら!こんにちは。」と堂々と鏡越しに声を掛けてきました。
上司は、下を向いて気付かない振りをしていて、何だか物凄くバツが悪そうにしていたので、私はそのまま知らぬ振りを通しました。
不倫の証拠だとしても、私には関係ないこと。
誰かに話したりもしませんでした。
でも、バチって当たるんですね。
しかも、家族に。
母がいい加減なことをしていたせいなのか、娘さんが大事故に遭いました。
相手は、上司の息子。
出会い頭の事故で、どちらも重傷でした。
浮気の証拠をつかんでいた上司の奥様は、「あなたの娘が悪い!人の旦那に手を出すような女の娘だから。」と、救急病院では大騒ぎだったそうです。
結果的に、事故は双方の安全確認不足との判断が下ったようですが、子どもの事故だけでなく、不倫の修羅場もあり、さすがに別れました。
何も知らなかった女性の旦那さんや娘さんは、それ以来、女性と家庭内断絶状態だそうです。
「不倫とか浮気とかしてないのにね。」と私が居る場で話す女性に、「この人、また不倫するな。」と思いました。
いくつになっても女なんでしょうね。